『アンドゥ家の一夜』とスリラー
『アンドゥ家の一夜』
作 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
演出 蜷川幸雄
@彩の国さいたま芸術劇場小ホール
(6/19)
ついに観ました。
さいたまゴールドシアター!
まずは、
これは意外!or新鮮!と思ったこと。
① 上演時間が長い
平均年齢70歳 最高齢83歳の出演者(一般から募集されたメンバー)で、
みっちり3時間半の上演。
思ってたよりも、濃密な時間でした。
ちょっと、実際に観ないと分からないような、
不思議なパワフルさが持続。
② 独特のバランス感覚
高齢とはいえ、演技や役作りが不完全という印象はなかった!
問題は、主に、セリフ覚えとかちょっとした動作のタイミングとか。
純粋に身体的なことに限られてるみたい。そこで、演出の蜷川氏も、
言っています・・・「だからこそ、おもしろい」って。
高齢の身体って、制限されているけれど、雄弁でもある。
そこにあるだけで十分に「人生」を伝えてしまう。それが、演劇的に
吉と出るか凶と出るかは、いつも予測不可能。
自由と不自由の“微妙なバランス”、おもしろいなー。
③ プロンプター
舞台のぐるりには、プロンプター軍団(若い)が。
公演二日目だったためかしら?プロンプターの、
はっきりきこえるヒソヒソ声にドキドキ!
後半からは、朗々と響く蜷川プロンプまでもが
随所に入ってきて、おかげで、終幕にさらなる緊張感も加わっておりました。
わたし、プロンプのある舞台って、今回初めて観た。
これは、これで興味深かったの・・・。
次に、予想通りと思ったこと。
それは、
ケラワールドって、けっこう
ゴールドシアター向きなのかもしれない・・・ってこと。
このお話では、
高校の恩師危篤(92)の知らせを受けて、
中高年の教え子たちがポルトガルに集合。
(哲学者の恩師の住まいは、今はポルトガルにあるという設定なの)
そこで、はじまる“同窓会ムード”に、
現地住民との違和感がさし込んで、ドラマが生まれてく。
こういう設定って、不思議なことに、
わたしたちの日常の枠を手づかみでゆらしてくるみたい。
登場人物たちの記憶や関係がつくる大小の水たまりに、
高齢じゃない観客たちも落っこちて、ゆらゆら。うるうる。
もちろん、それが、
ポストモダン的かどうか・・・なんて考えなくていいのだ。
とにかく、このゴールドシアターには
大きくゆったりとした感情の振れ幅を感じたのです。それは、
よくある“ご長寿ほのぼの感”ほど甘くはない・・・そこが演劇的にも
あたらしいかなと思う。
ちなみに、今思うと、美しいセットに、
出演者全員が勢ぞろいしたカーテンコールと
ちょうど、あのマイケルの『スリラー』のPVが重なるような~。
狂気(死)との距離を、最短距離にググッと縮める感じ。
ふつうの劇団とはちがうけど、プロの舞台になっていた!
(となりの人、前半だけで帰っちゃダメよー)
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